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このたびの東日本大震災により被災された方々に、謹んでお見舞いを申し上げます。 未曾有の大災害に見舞われたこの国が今後、新生日本へのビジョンのもと、いち早く再生できることを心から願っています。  昭和58年の春、先代(父)の片腕であり、経営の中心であった専務が病気で倒れ、急遽、私に実質的な社長代行として会社経営を任されて、早くも約30年近くになります。試行錯誤し、悪戦苦闘した当時を思い出しながら思いつくまま纏めてみました。

行動理念「4つの心 創意・熱意・行動・自力」

 引き継いだ当時、第2次オイルショック、第1次円高と世の中が激変する中で、会社としても大きな変革を迫られていました。急な交代で色々悩みましたが、まず私を含め幹部のほとんどを30歳台の若手メンバーに一新し、その後も若手幹部候補の育成と役員への登用を心掛けました。今から振り返れば非常に危なっかしくて空回りに近いような動きでしたが、ガンバって走り回っておりました。しかし忙しければ忙しいほど何か空しさを感じ、精神的な支えがどうしても必要、と当時の自分の想い、考えを行動理念として「4つの心 創意・熱意・行動・自力」と定めました。 「たゆまぬ創意と、誰にも負けない熱意、積極果敢な行動で、可能性に挑戦し、自らの力で未来を創る」

基本方針「独自製品でくらしの安全・環境・高機能化に貢献する」

 弊社は同業の中堅・中小電線メーカーに比べて、少し特異な会社と思います。 電線関係も電力ケーブルから細い機器用電線まで、又、電線から派生した各種の加工品を各業種、各分野に製造販売しております。品種的にも業態的にも、又、生産体制や工場も違う4事業部門の集合体のような会社です。中小企業の限られた経営資源では力も分散し、どれを中心に、どの方向に進めばいいのかと悩みました。どうしても会社として大きな方向性がいるとの思いで、数年間かけて、基本方針を定めました。  私達にしか作れない、又、他社よりも一歩も、二歩も進んだ「独自製品」で、くらしの「安全・環境・高機能化」分野に焦点を絞って、貢献できる企業を目指そうと決めました。

製品の開発・育成と第2、第3の海外展開

 精神的な支えである4つの心と、会社として大きな方向付けを決めたお陰で、その後に火災防止に役立つ耐トラッキングプラグや、環境に貢献できる太陽電池配線部品、その他の色々な開発製品等、20年近く前から手掛けて、永年の間赤字製品として業績の足を引っ張りましたが、迷うことなく我慢強く育てることが出来たと思います。  又、昭和60年の第1次円高を契機に、天安門事件直後の中国へ、他社に先駆けて独資での進出を決断しました。進出当初は予想もしない事や色々大変な苦労の連続でしたが、出向してくれた人達の使命感を持った熱意と行動のおかげで、第2、第3の海外展開へと繋がりました。心からよくやったなと感謝しております。

皆様のご支援に心から感謝を

 最後に、弊社は今年で創業88年を迎えることができました。これもひとえに、お得意先様のご愛顧、ご贔屓のお陰であり、仕入先様のご支援のお陰と心から感謝申し上げます。 これからも90年、100年に向かって迷いや失敗を重ねて試行錯誤しながらも、私達の想いを大切にして、力にあったペースで一歩づつ前進し、次の世代へと引き継いで行ければと考えています。

更新日:2011年4月14日

経歴

行田 貞生(ゆきた さだお)

略歴

昭和19年生
昭和43年3月 慶応義塾大学 卒
昭和43年4月 行田電線株式会社 入社
昭和49年3月 同社 取締役
昭和58年3月 同社 常務取締役
昭和63年3月 同社 専務取締役
平成9年3月 同社 代表取締役社長
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