2011年5月16日
今回はベトナムの南北の違いについて話したいと思います。南北に細長いベトナムは、ほぼ日本の本州と北海道をくっつけた様な形・大きさです。唯一の長距離鉄道「統一鉄道」や、縦貫道路である「国道一号線」が有りますが、南部の大都市ホーチミン市から、北部の首都のハノイまでの、その距離は約1800kmとも言われ、車・バスでも約30時間以上、列車でも2泊3日の長旅になります。その南北の長さもありますが、ベトナム戦争終結までは、別々の国であった事もあり、今でも色々な面で、南北の差を見いだすことが出来ます。
一つは言葉。首都のある北部弁が一応標準語になっていますが、我々南部は南部弁を日常使用しています。単語自体も大分異なりますが、共通であるはずの文字の発音自体も結構異なり、北はザ行で発音するものが、南部はヤ行になったりします。南部人は北部の堅い標準語を、北部人は気の抜けた様な南部弁を、お互い軽蔑している人も多くいますが、しかし彼らが、その逆の地域に行ったときは、その地域の言葉を話す順応性はあるようです。別の例えでは、「関西人は標準語を軽蔑し関東でも関西弁話す」が、「関東人は関西弁を軽蔑しても、関西では関西弁をつい話す」。ベトナム人は言わば関東人でしょう(注:私は関東人)。
性格の違い
たとえば、お店で買物して、南部は「ありがとう」と言ってくれるが、北部はあまり言わない。「ごめんなさい」も同じ。南部人は得た収入をすぐに使い、さらに借金して買物するが、北部人は、しっかりお金を貯めてから使うイメージ。戦争で別れていた、資本主義と社会主義の違い、異文化の名残りと思いますので、どちらが良い悪いかは申しませんが、人の性格も大分異なります。かつて、南部は年中温暖で食料が豊富、経済も発展して寝ていても食べていける様な雰囲気ですが、北部は気を抜くと生きていけない様な雰囲気(?)、また首都であるプライド、そのあたりが性格の差を生んだと思います。しかし、北部人が南部に移住して、しばらくすると北部の悪口をいう人も多く。それは結構、「現金」、「したたか」ではあります。
競争相手は内ではなく外、同じベトナム人同士、仲良くしましょうね。この話をすると、まだまだネタはありますが、今日はこの辺にしておきます。