この度、池本社長様からホームページに、取引先の方の”信条書”を連載することになったので、私にも是非投稿して欲しいとのご依頼がありました。話し上手で聞き上手、そして人の話も上手に引き出し、しかも周りを嫌な気分にさせない氏の話術に乗せられて、何時の間にか私はお引き受けしておりました。
池本社長様との出会いから約10年。こういったお話を頂いたのも一つのご縁と思い、私が常日頃大切にしている信条を投稿させて頂きます。
私が大切にしているもの、それは”縁”です。
人と人の間を結びつけるものが”縁”というものです。人間の思いどおりに作り出せないところに縁の不思議さがあります。
ある取引先の社長様にお会いした時、柳生家訓についてお話をいただいた事がありました。
その内容は、
小才は、縁に出会って、縁に気づかず。
中才は、縁に気づいて、縁をいかさず。
大才は、袖すり会った縁をも生かす。
私にとりましても、ここに至るまで、様々な方とのご縁がありました。まず、弊社創業者の故社長との出会いはかけがえのないものでした。昭和47年3月、然したる実積もない30歳の私を信用し北陸地区を任せて頂いた事が、私の人生の大きな転機となりました。
業績を伸ばす事がご恩にお応えする事だと考え、寝食を忘れ昼夜を問わず取引先を駆けずり回り、業績の向上に努めてまいりました。
その中でお会いしてきた多くの方々とのご縁もあり、撤退の危機にあった北陸の出張所は業績を伸ばすことができ、営業所、そして支店に昇格していきました。
相手が自分の事を好きになってくれなくては、ご縁は生まれません。”手抜きをせずに、自分の思うことに全力でぶつかっていけば、相手もいつかは好きになってくれる”、と信じてやってきた事が徐々に現実となり、お得意先が増えていくとともに、業績も伸びていきました。
この時代に培った経験、又多くの方々との出会いとご縁が、私の営業力を鍛え、育てて頂いたと、深く感謝しております。
メーカー、取引先をはじめとしたご縁はもちろんの事、社内における縁も非常に大事なものであったと思います。先輩・同僚とのご縁も大切にした事で、社内においても大きな支援を頂き、40有余年の会社人生を大過無く勤め上げる事ができました。
社内での縁を作る上で、上司と部下との信頼関係の構築が大切だと考えます。私は社員には”痛みの解かる人になって欲しい”と言っています。
言葉を上手に使い本人は何も出来ないのに、部下にやらせる上司がいますが、これでは部下はついて来ません。
上司の言葉が受け売りか、実践し覚え身体に染み込んでいるものかは、部下は肌で感じ取るものです。また実践してきた人は、指示した仕事が大変な苦労を伴う事を知っています。上司が部下を思いやり、痛みが解かる為、部下は全力でぶつかり、頭だけでなく汗を流し身体で覚える努力をするのです。
社外、社内を問わず、生きていく上では実に多くの人とのご縁があります。多くのご縁に気づかず、生かさずいる事は非常に勿体無い事です。
「袖すり会った縁をも生かす」この言葉を実践し、多くの方々とのご縁が出来た事は、私の人生の中で大きな財産となっています。