当社はプラスチックの押出・射出・圧空成形にて半導体・電子部品関連の包装容器、文具関係の部品、土木資材を主に設計・製造・販売している会社で、今年で創業43年になります。
創業者の高見澤より数え、私で4代目の社長でございます。高見澤は射出成形の会社を寝屋川で経営しておりました。その後、新たに7名で八尾の貸工場(通称アパッチ砦)にて土木資材の面木を押出成形で始めたのが当社のルーツです。 私と創業者との出会いは、学生時代に就職課の先生のお引き合わせでお会いしました。大学の応接室で二人、会社とは、人間は何のために生きているのか・・・等々、3時間以上も延々と一方的に話を聞かされたのが運命の瞬間だったのです。 入社の募集は技術でしたので、技術にて入社しましたが、本人の承諾もなく、いつの間にか営業に成ってしまっていました。そのお蔭で高見澤と同行する事が多くなり、色んな事を学びました。若い時は話の神髄を理解する事は出来ませんでしたが、年を重ねるごとに少しずつ理解できる様に成って来ました。「無量寿」「倶会一処」「色即是空、空即是色」・・・、まだまだ道半ばで、入り口にさしかかったばかりでは無いかなと思っております。 色んな知識は、経験や年齢や立場などによって、はじめて本物の実感を得る事が出来るのでは無いかなと思います。私がそうであったので、今は理解できないと思う事も積極的に伝える様にしています。 私の入社した時の絶対条件に、「返事はハキハキと明るい挨拶」が有りました、当たり前の事が当たり前に出来る人間で有れば、何とかなると言ったところでしょうか。これが出来なければ頭脳は優秀でも、組織のコミュニケーションが上手く行かず、組織として機能しません。右脳と左脳のバランス感覚の重要性を、最近は特に強く感じております。
社長に就任しましたのが2011年5月でした。3月11日に発生した未曽有の東日本大震災で一番のお得意先様が甚大な被害に遭われました。その影響も有り販売金額が大幅に減少、更に、毎月の販売金額が減少し続け対策の術も有りませんでした。改めて自身の無力さを痛感させられました。リーマンショックの後遺症がまだ残っている状況で、今まで経験の無い事態に痛みを伴う施策も実施しなければ成りませんでした。社員に辛い思いをさせました。もう二度と経験したくないと思っています。 日々心が折れそうになりますが、信条の「随処に主となれば立処皆真なり」に少し助けられています。
人は何のために働いているのかを考えた終着点の一つに、社是「我々は会社を通して、物心ともにゆたかな生活を築き、平和な社会の建設に貢献する。」それを具現化して行くために、基本方針の 1. 円満な人柄の形成に努める。 2. 自主自律の精神を貫く。 3. ゆとりをもった健全経営を維持する。 4. お客さまに評価される実績を積みあげる。 5. 地域社会に根をおろした経営基盤を固める。 私たちは、こう言う生き方をする事が念願であり理想なのです。 その夢を求めてこれまで継続出来ましたのも、お得意先様のご愛顧、ご贔屓のお陰であり、仕入先様やご家族のご支援のお陰と心から感謝申し上げます。 このご縁に報いるためにも、先達より受け継いだ、人や会社を大切に「無量寿」を繋げて行きたいと思っています。