進化するお客さまニーズに応えるコンパウンド開発とグローバルな品質
環境や性能・特性要求に応える高度な品質保証体制
塩ビのコンパウンド業界で、トップレベルのシェアをマークする原動力になっているのが技術力の高さです。あらゆる樹脂に対しての性能・特性要求が高まる中で、技術開発センターを開設。進化するお客さまニーズに応えるコンパウンド開発に力を注いでいます。
製品ごとに一品一様のコンパウンドづくりが求められる当社では、お客さまの開発依頼が年間数千件にも及びます。こうしたご依頼に応えるため、開設したのが技術開発センターの技術開発部署です。
同センターの技術者は、お客さまとの打ち合わせ段階から積極的にお客さまをサポート。技術的見地から詳細なヒアリングや提案を行い、技術開発チームでスピーディに開発を進めています。
お客さまにとってのよりよい製品づくりは、その原料となるコンパウンドとのマッチングは欠かせません。数多い開発事例があるからこその技術提案も可能になります。製品開発プロセスに関与する技術サポートでお客さまの製品価値を高めるご提案を行っています。
お客さまよりお寄せ頂く課題は、技術開発センターだけで対応を行うばかりでなく、全社各部署でその解決に向けて取り組んでいます。対応担当者の即日振り分けをはじめ、全員で課題共有ができる仕組み作りを以てその対応に臨んでいます。
昭和化成工業株式会社では、ご依頼どおりのコンパウンドを開発するだけでなく、創業以来、培ってきた膨大な製造ノウハウをもとに、より良いコンパウンドづくりを積極的に進めながら、お客さまとの共同開発に素材メーカーとして参加しています。またお客さまの課題解決による付加価値の獲得までを視野に入れた技術開発・展開を行っています。
例えばお客さまによっては、製品の成型技術には長けていても、その原料となるコンパウンドに対する知見があまりないケースもあります。原料のコンパウンドを工夫することで、成型がしやすくなったり、製品の品質が向上したりすることも珍しいことではありません。そのような課題は培ってきた膨大な製造ノウハウの蓄積が大いに役立っています。
さまざまな業界で環境にやさしい製品が求められるなか、当社が力を入れているのが環境に負荷をかけないコンパウンドの製品化です。これまでにも、EU(ヨーロッパ連合)の特定有害物質の使用制限を定めた「RoHS指令」に対応し、鉛フリーのコンパウンドを開発。新たに施行された「RoHS2」において、フタル酸系の4物質が禁止物質に追加されたことから、それに対応したハロゲンフリーのコンパウンド開発にも取り組んでいます。
高耐候性や発泡、耐熱、低収縮性、耐アークなど特殊グレードのコンパウンドの開発・製造が求められる今日、お客さまの品質要求にしっかり応えられる品質保証体制を構築しいます。
お客さまに信頼される製品の提供をめざす当社にとって、クオリティの高い製品づくりに向けた品質管理は最重要テーマのひとつです。人の生命を守るという究極の使命を担っている医療器具のコンパウンド製造をお客さまから任されているのも、そうした品質管理への取り組みが評価されてのことです。抗張力試験機や原子吸光分光光度計、液体クロマトグラフィーなど最先端の分析機器を備え、各種検査を厳格に実施しています。
品質方針にもあるように、私たちが目指しているのは「不適合ゼロを目指し、お客さまに信頼される製品」を提供することです。そのため、品質管理の国際標準規格である「ISO9001」の認証を取得し、品質マネジメントシステムの継続的な改善を推進。さらに、品質管理部門のスタッフが製造現場に入り、不適合品を造らないための予防品質活動(サポート)にも積極的に取り組んでいます。
自社の品質管理におけるメンテナンス、製造プロセスのノウハウを、国内・外すべての生産拠点が共有し、リスク低減に向け、細かな情報のやり取りで現場の情報を共有し、安定した品質管理を行い、品質向上に取り組んでいます。
国内・外の生産拠点で製造されるコンパウンドはすべてそのサンプルを取り寄せ、技術開発センター:品質管理部署で品質検査を行っています。
試験検査設備のISO定期校正と安全装置の動作確認を含む設備点検・校正も品質管理を行う一環として取り組んでいます。